地盤補強・ジオシンセティックス研究室

川口貴之 教授(詳細はこちら▶

この研究室では、豪雨や地震などの自然災害だけでなく、寒冷地特有の凍結融解や凍上現象による被害をできるだけ減らすことを目標に、地盤を強くする技術に関する研究に取り組んでいます。屋外での地盤調査や実物大実験、屋内での室内試験や模型試験、数値解析といった方法を駆使し、特にジオシンセティックスと呼ばれる土木用途の高分子合成繊維製品を活用した補強土工法による問題解決を目指した研究を行っています。他にも、地盤工学などの工学技術によって、オホーツク地域の基幹産業である一次産業の持続的発展を支援することを目標に、農地や林道に関する研究も行っています。

ジオセルを用いたのり面保護・斜面安定

気候変動で短時間強雨の回数は増え,斜面崩壊が頻発しています。また,北海道では凍結融解によって春先に多くの斜面が崩壊します。これを軽減するため,ジオセルという土を拘束する枠を使い,中詰め材が異なる2層構造にすることで,古墳でも使われていた水の浸透を抑制する効果を生かした侵食防止と浸透抑制を両立した新たなのり面保護工の開発を目指しています。

補強土壁の新たな品質管理方法

施工中に補強土壁に使われる盛土材料が適切かどうか,完成後も補強土壁が健全であるかどうかを,遠隔地からもリアルタイムで簡単に把握可能な品質管理システムの開発を目指しています。

地震時における道路の段差抑制対策

北海道胆振東部地震の際,住宅地を造成するために行った盛土と切土の境界にある舗装路で段差が生じ,交通障害が発生しました.市街地の生活道路では,水道管などの交換も行われるため,ジオセルを用いた撤去・再構築が可能な新たな段差抑制対策工について検討しています。

一次産業の持続的発展に向けた工学支援

3Dスキャナーやドローンなどの最新計測技術を活用し,森林の現況把握や災害に強い簡易で丈夫な屋根型林道の改善,漁業被害にもつながる恐れがある豪雨時の農地侵食や崩壊を防ぐための研究にも組んでいます.

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